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同時視聴の規約関連について弁護士さんに依頼したリサーチ結果

下記のリサーチ結果については、以下の利用規約についてのみ参照しており、その他の利用規約についてはリサーチの対象外としている点、ご了承下さい。
・Amazon Prime Video利用規約
・Youtube利用規約
・Twich利用規約

(1)Amazon Primeの動画の商業的利用について

Amazon Prime Video利用規約第4条hは「アマゾンは、・・・お客様に対して、お客様個人の非商用的で私的な利用に限り、本デジタルコンテンツの視聴をするための非独占的、譲渡不能、サブライセンス不能な限定的利用許諾を付与します」と規定しています。
この点、本件のような同時視聴については、個々のリスナー及び配信者が自己のアカウントにおいて、各々がAmazon Primeの動画を視聴するものであることが前提となっていますので、以下の通りと整理し、利用規約に違反しないと整理する余地はあるものと考えます。
  • 動画の視聴についてはあくまでも個人ごとの「私的な利用」である。
  • マネタイズすることについても、あくまで配信者による同時視聴という役務提供への対価の支払いであると整理できる上、配信者及びリスナーいずれについてもAmazon Primeへの動画視聴の対価は支払っていることから、Amazon Primeの動画自体を「商用的」に利用しているものではない(利用規約第4条kを参照しても、「本デジタルコンテンツ」自体の商用利用等を禁止しているに留まり、本デジタルコンテンツから派生する配信者の行動(同時視聴配信)のマネタイズまで禁じているわけではないと考えられます。)。
但し、上記は利用規約の解釈による部分であるため、貴社内で上記のように整理していた場合であっても、Amazonが問題視した場合には、利用規約違反とみなされてしまい、紛争等になる可能性は否定できない点、ご留意下さい。なお、利用規約に同意している主体は、あくまで配信者及びリスナーであり、貴社自身は利用規約に同意するフローを踏んでおらず、契約当事者になっていないことから、仮に利用規約に違反し得る行為が行われている場合であっても、直ちに運営側が貴社に責任追及を迫ることは難しい面もあると考えます。この点については、以下の(2)及び(3)についても同様です。

(2)Youtube での同時視聴配信について

①Amazon Primeの動画を用いて同時視聴配信を行うことについて

Youtubeの利用規約では「第三者の知的所有権(著作物など)を含むコンテンツは投稿できません」と規定されています(「お客様のコンテンツと行動」の章より)。
貴社がご想定の同時視聴配信では、配信画面上に動画自体が表示されるものではなく、あくまでも個々のAmazon Prime会員が対象となる動画を視聴するものと理解しています。
そのため、同時視聴配信により、対象となる動画の著作権を侵害すると判断される可能性は低いと考えられ、Amazon Primeの動画を用いて同時視聴配信を行うことは、Youtubeの利用規約上問題ない可能性が高いと考えます。

②同時視聴配信のマネタイズについて

Youtube利用規約の「収益化に関する権利」という章において、コンテンツの収益化に関する権利をYouTubeに付与する旨の規定があり、貴社サービスにおけるマネタイズはかかる項目に抵触する可能性が一応あると考えます。
もっとも、規定を読む限りでは、当該権利の内容については、コンテンツ上やコンテンツ内で広告を表示することやアクセスの手数料をユーザーに請求することについての権利が想定されており、これらは例示列挙ではあるものの、趣旨としてはコンテンツに関連するYouTube上での広告による収益化の権利について定めた規定であると考えられます。また、同規定では、YouTube上でのクリエイターの広告等による収益化に関連するYouTubeパートナープログラム等についても言及があり、このことからも、あくまでYouTube内での広告についての収益化を定めた規定に過ぎないと考えられます。
そのため、貴社サービスのように、外部でコンテンツに関連してマネタイズすることについては、本規定に抵触する可能性は低いと考えます。
以上より、Youtubeでの同時配信を利用してマネタイズすることは、Youtubeの利用規約上は問題ない可能性が高いと考えます。

(3)Twichでの同時視聴配信のマネタイズについて

Twich利用規約第7項では、「(a) Twitchサービスや素材の転売または商業的利用」を禁止する
旨が定められています。
この点、Twichでの同時配信を利用してマネタイズを行うことは、Twitchサービスの「商業的利用」に該当し、禁止事項に違反すると判断される可能性があると考えます。
一方で、第8項において、大要ライブ配信等の「ユーザーコンテンツ」については、上記の「素材」から除外されると規定されています(利用規約第7条かっこ書き)。
「ユーザーコンテンツ」については、「Twitchサービス」からは除外されていないものの、Twitchサービスのライセンスについて定めた第7項(「7.ライセンス」)とは独立の項として、第8項に「8.ユーザーのコンテンツ」という項が設けられており、ユーザーコンテンツの利用と、Twitchサービスの利用については区別する前提(ユーザーコンテンツの商業的利用は必ずしもTwitchサービスの商業的利用に該当するとは限らない前提)であると考えられます。また、第8項bにおいて、ユーザーがユーザーコンテンツの権利を所有していることを表明保証させていることからも、ユーザーコンテンツはあくまでユーザーのものである前提で規約が作成されているものと推察でき、ユーザーコンテンツの利用とTwitchサービスの利用は区別する前提であると推察されます。
上記を踏まえると、「素材」から「ユーザーコンテンツ」を除外している趣旨が、「ユーザーコンテンツ」についての権利はユーザーにあり、その(商業的)利用については禁止しないことを意図していると考えられ、「ユーザーコンテンツ」の利用であれば、「Twitchサービス」の商業的利用に該当しないと整理し得るものと考えられます。
上記を踏まえると、以下の通り整理することが可能であると考えますので、Twichでの同時視聴配信のマネタイズが利用規約に違反していると判断される可能性は低いものと考えます。
  • 貴社サービス上のマネタイズは、あくまでも「ユーザーコンテンツ」のマネタイズである。
  • 「Twitchサービス」の「商業的利用」をするものではない。
但し、(1)と同様、上記は利用規約の解釈による部分であるため、貴社内で上記のように整理していた場合であっても、Twichが問題視した場合には、利用規約違反とみなされてしまい、紛争等になる可能性は否定できない点、ご留意下さい。
どうぞよろしくお願いいたします。